胸にバッグが入っていると乳がん検診ができません
豊胸バッグの抜去について
豊胸バッグ抜去手術とは、豊胸のために胸に入れたバッグを取り除く手術のことを言います。
バッグを取り除く理由としては、バッグの損傷・劣化により胸の形がいびつになってしまったということが最も多く、その他パートナーにわかってしまいそうとか、加齢に伴い体型が変化しているにもかかわらず、胸だけが張りを保つことでアンバランスを感じるなど様々です。ただ豊胸バッグを取りだすだけだと、当然のことですが元の貧弱な胸に戻ってしまうことになります。
そこで当院ではバッグを抜去した後にそうしたギャップを感じなくて済むよう、抜去後仕上がりの自然な脂肪注入法で再豊胸することをお勧めしています。
当院がバッグ抜去をお勧めする理由
脂肪注入法での豊胸手術一筋の当院では、バッグ豊胸に不満をもつ患者さまも数多く診療させていただいています。
そうした実際の患者さまの声に基づき、バッグ豊胸のデメリットについてまとめましたので、現在バッグを入れている方や豊胸をご検討中の方の参考になればと思います。
バッグ豊胸手術のデメリット
①カプセル拘縮の可能性
カプセル拘縮とは、挿入したバッグの周りに皮膜が作られ、胸が固くなる現象です。
バッグ式豊胸では起きやすい問題の一つで、悪化するとテニスボールほどの硬さになってしまいます。
②バッグの不自然さ
豊胸バッグの多くは欧米で開発されるため、日本人の骨格に適しているとは言えず、ボディラインが不自然に見える事が多いものです。
若い頃は納得できても加齢に伴い不自然さが目立つ場合もあります。
また、感触については昔と比べれば自然に近づいていますが、脂肪注入には及ばず、せっかく胸の大きさのコンプレックスを解消したというのに、触られたときの不自然さが不安で男性と付き合えないという声もあります。
③破損・劣化の可能性
胸に入れたバッグは、人工物であるがゆえに挿入直後から徐々に劣化が進んでいきます。
バッグの種類や品質にもよりますが、早ければ数年後から拘縮や破損といった不具合が生じる場合があります。
もちろんメーカーでの研究開発により安全性も進歩していますが、人工物なため確実に壊れないとは言いきれません。
④術後生活のへの障害
バッグ豊胸は手術後に筋肉痛のような痛みがある他、術後も破損の不安からうつ伏せに眠れないという方がいます。
また、他にも豊胸バッグをかばうような生活でストレスが溜まることもあります。
⑤マンモグラフィの受診ができない
乳がん検診のマンモグラフィでは、胸を圧迫するため、バッグ豊胸を行っていると検査自体を断られることがあります(バッグが破損した際の責任を病院が負えないなどの理由から)。
⑥その他実際にあったバッグ式豊胸でのお悩みの声
- ・乳房全体が石のように硬くなったり、ひきつれができてしまった。
- ・乳房が部分的にゴツゴツしてしまった。
- ・左右の大きさや位置が著しく違ってしまった。
- ・もともとの胸との間に段差ができてしまった。
- ・年齢とともに大きさが不自然になり温泉などに行きにくい。
- ・感触がビニールのようにペコペコで明らかにバッグが入っているとわかってしまう。
- ・乳首が不自然に下を向いてしまった。
- ・バッグの重みでバストラインが下がってしまった。
- ・仰向けや横になった時などの乳房の動きが不自然。
「バッグ抜去(除去)+脂肪注入法バストアップ」のセット手術
バッグの胸にご不満でも、バッグを取ることによって元の小さな胸に戻ってしまうことへの不安や、これまでバッグで皮膚が張っていた分、取ると垂れ下がってしまうのではないかという不安から、なかなかバッグ抜去に踏み切れない方が多いのも事実です。
当院ではそうしたコンプレックスを抱えながらも、不安からバッグ抜去をためらわれている方のために、バッグ抜去(除去)手術と脂肪注入法による再豊胸をセットにした手術を行っています。
脂肪注入法豊胸手術のメリット
当院が脂肪注入法をオススメするのには次のような理由があります。
- ・脂肪注入法での豊胸ならご自身の脂肪を胸に注入しますので違和感がありません。
- ・脂肪を注入するため、レントゲンに異物が写るといった心配がありません。
- ・ほとんどメスを使わない手術ですので痕が残ることもほとんどありません。
- ・局部麻酔による手術のため、身体への負担を抑えられ、何より安全です。
- ・バッグ(人工乳腺)法に比べ、ダウンタイム(手術後、回復するまでに必要な期間)が短く、術後の生活が楽です。
- ・定期的な通院やマッサージは基本的に不要です。
- ・ご自分の身体の余分な脂肪を取り、バストに注入するため、理想のプロポーションに近づけられます。
※脂肪注入法の場合でもしこりを生じることがあります。当院の場合も約0.1%の方にしこりが発生しています。ただこのしこりは良性で、発見が早ければご自分で潰すこともできますし、クリニックにお越しいただければ注射で潰していくこともできます。
さらに詳しい情報はこちらへ。
バッグ抜去の方法
バッグ抜去手術は乳輪のラインに沿ってほんの数センチ切開し、そこからバッグを取りだします。バッグの種類によっては、バッグの一部を切って中身を吸引した後、バッグ本体を取り出すこともあります。
時間にしてわずか20~30分ほどで終了します。
脂肪注入法での入れ替えの場合は、その後すぐに豊胸手術を行いますので、小さなバストで過ごさなくてはならない期間、いわゆるダウンタイムはゼロです。
バッグが入った状態でご来院いただき、術後は脂肪注入法によって再び豊かになった胸でクリニックを出ていただけますので、誰にも気づかれることはありません。