このLOVEHEARTS STORYは、院長池田優子が、その生い立ちから医師としての道を歩むまでの紆余曲折の半生を、ノンフィクションライターが綴ったものです。 2002年に発刊された本ですが、多くの女性に勇気を差し上げることができればと思い、ここに掲載させていただきます。

美容外科医・池田優子登場

 その日はすぐにやってきた。突然のキャンセルから一週間。
声しか聞いたことがない「美人女医」に初めて会ったのは、
青山通りを路地に入ってすぐにある和食居酒屋のVIPルームで、お酒落なお店。
 あ、前にワイドショーで見たあの人だ。すぐにわかった。ディオールピンクのニットにストーンウォッシュのジーンズ、
きわめつけは少なくとも十センチはあろうかというブーツ。
こんな「ギャル」さながらの格好をした女医は世界でもこの人ただ一人に違いない。
おもむろに彼女が立ち上がった。
「はじめまして、池田です。前回はお会いできず、すみませんでした」
 よく通る、落ち着いた口調で話しはじめるのを聞き、少し安心した。
もし発音まで女子高生調だったら、違和感を顔に表さずにいられただろうか。
 実際、近くで見ると人の印象は変わるものだ。
その日は終始明るい笑顔を浮かべていた(お酒のせいもあるが)。
それに、ブラウン管で目にしたときからなんとなく気づいてはいたのだが、彼女はスタイル抜群だ。
身長はそれほど高くないが、俗に言う「出るところが出てへこむところがへこむ」というのはこのことだろうか。
とにかくバランスがいい。これで職業が医者とくれば、モテて仕方がないことは容易に想像できる。
 それにしてもこの女性はいったい何歳なんだろう? 
服装からすると二十代なのだろうが、開業医なのだからそれはあるまい。
四十代にギャルファッションは理解できないだろうし......
「失礼ですけどおいくつなんですか?」
「いくつに見えます?」
 しまった。逆に質問されるとは予想もしていなかった。若く言い過ぎるのもお世辞っぼいし、実際の年齢をオーバーしては心証が悪くなる。
ここはあまり考えすぎず、安全策をとるべきだ。
「三十歳過ぎくらいでしょうか。いや、それよりちょっと若いかな......」
「ピンポーン」
「(ホッ、外さなくてよかった)」
「なんて嘘でーす。四十を越えてるんですよ。十七歳になる子供もいます」
 頭が混乱した。三十代そこそこかと思いきや実は四十代で、高校生になる子供がいるのに風貌はギャル......しかも女医。
常識では考えられない組み合わせだ。きっとこの人はヒトクセあるに違いない。
彼女はどういう経験を重ね、なにを感じてきた結果、現在のスタイルに辿り着いたのだろうか。
池田優子という人間に対して、興味がふつふつと沸いてくるのを感じた。
 その日から、わたしは彼女のもとにたびたび通うようになったのだ。